Wigwam – Lucky Golden Stripes And Starpose (1976)
Wigwam『Lucky Golden Stripes And Starpose』(1976)
フィンランドのプログレッシブ・ロック・バンド、Wigwamが1976年に発表した作品。
アートロックとプログレッシブ・ロックの要素を軸にした、バンド後期の一枚として位置づけられるアルバムである。
Wigwamは1968年結成のフィンランドのバンドで、同国のロック史では重要な存在として知られている。
この時期の編成には、Jim Pembroke、Jukka Gustavson、Pekka Pohjola、Pekka Rechardt、Måns Groundstroem、Esa Kotilainen、Pave Maijanenら、フィンランドのロック/ジャズ系シーンでも名前の挙がるメンバーが並ぶ。
演奏面の情報だけ見ても、キーボード、ギター、ベース、ドラムに加えて複数の参加者が関わる構成で、バンドの作り込みの強さがうかがえる。
作品の位置づけ
1976年作ということで、Wigwamのキャリアの中でも70年代中盤の流れにあるアルバム。
前作までの流れを受けつつ、英国のVirginからも流通した作品で、フィンランド国内ではLove Records盤、国外ではVirgin盤として出回った。
同じタイトルでも、Love盤とVirgin盤ではカバーアートが異なる点が特徴になっている。
オリジナル盤の仕様としては、エンボス加工の単独ジャケットに、大きく折りたたまれた歌詞インサート/ポスターが付属する形。
Virgin盤は6面折りの歌詞ポスター、Love盤は歌詞と写真ディスコグラフィー入りのインナーが付く構成で、装丁面でも資料性のある一枚になっている。
サウンドの印象
内容は、ロックを基調にしながら、プログレッシブ・ロックらしい展開とアレンジの組み込みが目立つタイプ。
Wigwamは、同時代の英国プログレに接続しながらも、単純に英国勢の模倣に収まらないところが持ち味で、HawkwindやJethro Tullのような直線的な比較よりは、よりメロディと構成を詰めたバンドとして語られることが多い。
この作品でも、演奏の密度、キーボードの配置、曲の組み立てにその傾向が出ている。
実際に聴くと、派手さだけで押すよりも、各パートの受け渡しや曲中の切り替えで聴かせる場面が多い。
Jim Pembrokeのヴォーカルを軸にしながら、Pekka PohjolaやPekka Rechardt、Esa Kotilainenらの個性が曲の輪郭を作る流れ。
フィンランドのバンドらしい湿度のある空気感と、英国プログレ由来の構成感が同居している印象である。
時代背景と比較
1976年は、プログレッシブ・ロックが70年代前半のピークから少し形を変えていく時期。
その中でWigwamは、過度に大仰になりすぎず、アートロック寄りの整理された感覚と、プログレの長い流れを両立させている。
Genesis、Yes、King Crimsonといった英国勢の文脈に置かれやすい一方で、北欧圏ならではの落ち着いた組み立てが目立つグループでもある。
まとめ
『Lucky Golden Stripes And Starpose』は、Wigwamの70年代中盤を代表する一枚として見やすい作品。
ロック、アートロック、プログレッシブ・ロックの要素が、演奏力と構成力の両方でまとめられている。
盤の仕様も含めて、当時の英国流通盤とフィンランド盤の違いが残る、記録性の高いアルバムである。
トラックリスト
- A1 – Sane Again
- A2 – International Disaster
- A3 – Timedance
- A4 – Colossus
- A5 – Eddie And The Boys
- B1 – Lucky Golden Stripes And Starpose
- B2 – June Maybe Too Late
- B3 – Never Turn You In
- B4 – In A Nutshell