James Carr – A Man Needs A Woman (1968)
James Carr『A Man Needs A Woman』について
James Carrが1968年に発表したアルバム『A Man Needs A Woman』。USのRhythm & Blues/Soulシンガーとして知られるCarrの作品の中でも、60年代後半のGoldwax時代を代表する一枚として位置づけられる作品だ。タイトルからもわかる通り、歌そのものを前面に出した構成で、ソウル・シンガーとしての持ち味がまとまった内容になっている。
James Carrという歌い手
James Carrは1942年、ミシシッピ州コアホーマ生まれ。メンフィスでゴスペルや教会音楽に触れながら歌い始め、1960年代半ばにGoldwax Recordsで録音を重ねた。R&Bチャートに初めて入ったのは1966年の”You’ve Got My Mind Messed Up”で、その後ではDan PennとChips Momanが書いた”The Dark End of the Street”が特に知られている。
この『A Man Needs A Woman』は、そうした代表曲で注目を集めた時期の延長線上にある作品。Goldwaxのカタログの中でも、Carrの声を中心に据えたソウル・アルバムとして聴かれることが多い。
作品の位置づけ
1968年という時期は、メンフィス・ソウルやサザン・ソウルの流れが強く感じられる時代。James Carrもその文脈の中にいる歌い手で、同時代のシンガーと並べると、Otis ReddingやWilson Pickettのような強い歌声の系譜、あるいは同じくメンフィス周辺のソウル・シーンとつながる存在として見えてくる。
一方でCarrは、派手なパフォーマンスよりも、曲の中で感情を積み上げていくタイプの歌い手として語られることが多い。『A Man Needs A Woman』も、その持ち味を軸にしたアルバムとして受け取られている。
収録曲とクレジット
本作は全曲に出版社クレジットが付いており、複数のソングライター/出版社の楽曲で構成されている。A1、A2、A4、A5、A6、B5はRise Music Co. – Aim Music、A3はEarl Barton Music, Inc.、B1はWilderness Music Pub. Co., Inc、B2はZann Music, Inc.、B3はPresto Music Pub. Co.、B4はIl Gatto Music, Inc.の管理曲となっている。
ジャケット・デザインはForlenza Venosa Associatesによるもの。US盤として1968年に出たオリジナル・リリースで、当時のソウル盤らしい編集と見せ方が意識された一枚といえる。
聴きどころ
James Carrの作品は、声の強さだけで押すというより、フレーズの置き方や言葉の運びで曲の温度を上げていくところに特徴がある。このアルバムでも、その歌い回しが中心になるはずだ。特に”The Dark End of the Street”で知られるような、切迫感のある表現を期待して聴くと、Carrらしさが見えやすい。
60年代のソウル盤らしく、歌とバンドの関係が近い手触りもこの時代ならでは。メンフィスの空気を感じるタイプのソウルとして、Goldwax周辺の作品群と合わせて見ると、当時のシーンの輪郭がつかみやすい。
まとめ
『A Man Needs A Woman』は、James Carrのソウル・シンガーとしての立ち位置をそのまま示す1968年作。代表曲”The Dark End of the Street”で知られる彼の、60年代メンフィス・ソウルの流れの中での姿が見えるアルバムだ。派手な演出よりも、歌そのものを軸にした一枚として記憶される作品といえる。
トラックリスト
- A1 – A Man Needs A Woman (2:38)
- A2 – Stronger Than Love (2:24)
- A3 – More Love (2:36)
- A4 – You Didn’t Know It But You Had Me (1:50)
- A5 – A Woman Is A Man’s Best Friend (3:25)
- A6 – I’m A Fool For You (1:54)
- B1 – Life Turned Her That Way (2:29)
- B2 – Gonna Send You Back To Georgia (2:10)
- B3 – The Dark End Of The Street (2:20)
- B4 – Sowed Love And Reaped A Heartache (2:20)
- B5 – You’ve Got My Mind Messed Up (2:20)