Guru Guru – UFO (1970)
Guru Guru『UFO』について
Guru Guruは、1968年にドイツで結成されたクラウトロック・バンドで、Mani Neumeierを中心に活動してきたグループだ。政治性や風刺を含んだロックから出発し、その後は実験性の強い作品を次々と発表していく。『UFO』はその初期にあたる1970年の作品で、バンドの出発点を知るうえで重要な一枚として位置づけられる。
この盤は1996年にドイツで出た再発盤で、レーベル表記では1970年録音・1996年発行という形になっている。オリジナル時点の空気をそのまま伝える内容として、初期クラウトロックの流れをたどる際に外せないタイトルのひとつだ。
作品の内容と初期Guru Guruの輪郭
『UFO』には、当時のロックの枠を押し広げるような長尺演奏と、即興的な展開が目立つ。曲ごとの構成に頼るというより、演奏の流れそのものを聴かせるタイプのアルバムで、反復、ノイズ、間の取り方が前面に出る。のちのクラウトロック作品に通じる要素が、この時点ですでにかなりはっきりしている。
バンドの初期はライブ中心で始まり、スタジオ録音に入ったのがこのデビュー作の時期にあたる。以後の作品ではプロデューサーとの協働も始まるが、『UFO』はその前段階にあるため、より荒さと自由度が強く感じられる構成だ。
聴感上の特徴
実際に耳に入るのは、ドラムの推進力、ベースの粘り、ギターや電子音のぶつかり合いだ。ロックのビートを土台にしながら、途中から演奏が崩れたり、別の方向へ逸れたりする。その変化が曲の展開としてそのまま残されている印象がある。
派手なメロディを追う作品ではなく、演奏の持続とズレを楽しむタイプの内容だ。後年の整ったサイケデリック/プログレッシブな録音と比べると、もっと生々しく、ライブ感の強い手触りがある。
同時代の文脈
1970年前後の西ドイツでは、Can、Amon Düül II、Faust、Neu! などと並んで、ロックを英米の模倣から切り離そうとする動きが進んでいた。Guru Guruもその流れの中にいて、特に『UFO』では、後のクラウトロックで定着する反復志向や即興性が、かなり早い段階で見えている。
同時代のバンドの中でも、Guru Guruはユーモアや演奏の暴れ方が前に出る場面があり、同じクラウトロックでも、Canの編集的な緊張感やNeu!の直線的な推進力とは少し違う手触りがある。
アルバムの位置づけ
『UFO』はGuru Guruの初期像をそのまま示す作品だ。のちにメンバー交代を重ねながら活動が続いていくが、この時点では、バンドが何を目指していたのかがかなりはっきり出ている。デビュー作として、グループの基礎を知る入口になっている。
代表曲を一曲で語るというより、アルバム全体の流れで聴く作品だ。タイトル曲を含め、曲単位よりも演奏の連なりが印象に残る内容で、初期クラウトロックの記録として見ても存在感がある。
再発盤について
この1996年盤は、オリジナル1970年盤の再発として流通したものだ。盤面表記にある通り、著作年は1970年、盤の発行は1996年で、ドイツ盤として再度リリースされている。
再発盤では、当時の録音をそのまま聴ける点がいちばん大きい。初期クラウトロックの生々しい演奏と、1960年代末から1970年代初頭の空気が残る一枚として、作品の輪郭はかなり明確だ。
まとめ
Guru Guru『UFO』は、ドイツの初期クラウトロックを語るうえで外せないデビュー作だ。ロック、電子音、即興性がひとまとまりで鳴っていて、バンドのその後の長い活動の出発点にもなっている。作品としては、整った完成度よりも、当時の現場感や実験の始まりが見える内容だ。
トラックリスト
- A1 – Stone In (5:42)
- A2 – Girl Call (6:15)
- A3 – Next Time See You At The Dalai Lhama (6:10)
- B1 – Ufo (10:15)
- B2 – Der LSD-Marsch (8:25)