Material – For A Few Dollars More (1983)

Material - For A Few Dollars More

Material『For A Few Dollars More』

Materialは、Bill LaswellとMichael Beinhornを中心に、1970年代末ごろから活動を始めたアメリカの実験的なバンドだ。パンク、ジャズ、ファンク、ノイズ、エレクトロを横断しながら、同時にプロデュース・ユニットとしても機能していたグループで、この『For A Few Dollars More』は1983年の作品になる。

ジャンル表記はElectronic、スタイルはElectro。Materialの中でも、打ち込みのリズムと低音の処理が前に出やすい時期の流れにある一枚として見える。硬めのビート、反復するフレーズ、音数を絞った構成など、当時のエレクトロ周辺の感触が感じられる内容。

サウンドの印象

録音の雰囲気は、音の輪郭がはっきりしたタイプ。リズムが先に立ち、その上にベースやシンセ、断片的な演奏が重なる構成が想像しやすい。Materialらしく、演奏のうまさを前面に出すというより、音の配置そのものを組み替えていくような作りが特徴になりやすい。

メンバーには、Bill Laswell、Michael Beinhornのほか、Bootsy Collins、Bernie Worrell、Nile Rodgers、Fred Frith、Sonny Sharrock、Ginger Baker、Robbie Shakespeareなど、多方面のミュージシャンが名を連ねている。ファンク、ロック、ジャズ、ダブ、レゲエなどの周辺から人が集まっている点も、Materialの作品を追うときの大きな見どころだ。

Materialの中での位置づけ

1983年時点のMaterialは、バンドとしての顔と、制作ユニットとしての顔が重なっている時期にあたる。アーティスト名義でありながら、実験的なアレンジやプロデュースの発想がそのまま作品に出やすいのがこのグループの面白さだ。のちに90年代へ進むと、よりワールド、インド、アフロ、アンビエント、ダブ寄りの方向へ広がっていくが、この時期はエレクトロやファンクの要素が比較的はっきり見える段階といえる。

同時代とのつながり

1980年代前半のニューヨーク周辺では、ヒップホップ、エレクトロ、ファンク、アートロックが近い距離で交差していた。Materialもその流れの中に置ける存在で、Afrika BambaataaやHerbie Hancock、Nona Hendryxなど、周辺のアーティストとの関係からも、当時のクロスオーバーな空気が伝わってくる。

『For A Few Dollars More』は、そうした時代の電子音楽とバンド・サウンドの接点を、Materialらしい方法で切り取った作品として捉えられる一枚だ。

トラックリスト

  • A For A Few Dollars More (Special Long Version) (7:27)
  • B For A Few Dollars More (3:50)

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2026.05.10