Tangerine Dream – Exit (1981)

Tangerine Dream『Exit』について
Tangerine Dreamの『Exit』は、1981年にリリースされた作品。電子音楽とロックのあいだを行き来する、このグループの特徴がまとまった一枚として捉えやすい内容です。Berlin Schoolの流れを背景にしながら、シーケンスを軸にした推進力と、ロック寄りの手触りが同居している作品です。
バンドは1967年にベルリンで結成され、Edgar Froeseを中心に、Christopher Franke、Peter Baumannらを経て、シンセサイザーとシーケンサーを使った独自のスタイルを確立していきます。『Exit』の時期は、70年代の宇宙的な長尺展開から、より輪郭のはっきりしたリズムや構成へと重心が移っていく流れの中にある一枚です。
サウンドの印象
この時期のTangerine Dreamらしく、反復するシーケンス、電子音の層、淡く広がる空間の処理が中心にあります。いっぽうで、ただ漂うだけではなく、拍の立った進行やロック的な推進力も見えやすい作りです。音像は乾きすぎず、かといって過度に装飾的でもない、80年代初頭らしい整理された質感という印象です。
Ambient、Berlin-School、Prog Rockというタグが示す通り、雰囲気だけでなく構造のある電子音楽として聴こえる場面が多い作品です。Kraftwerkのようなミニマルな機械感とはまた違い、より流れの変化や旋律の動きを重視したタイプの電子ロックと言えそうです。
作品の位置づけ
『Exit』は、Tangerine Dreamの活動史の中でも、70年代後半から80年代初頭への移行を感じさせる時期の作品です。初期の実験性と、後年のサウンドトラック的な整理された響きのあいだに位置するような内容で、バンドの変化を追ううえでも見ておきたいタイトルです。
この頃のTangerine Dreamは、ラインアップや作風の変化を重ねながら、よりメロディやリズムの明確さへ寄っていきます。その流れの中で『Exit』も、電子音楽のレイヤーを保ちながら、ロックの文脈に接続しやすい形へと整えられた作品として聴こえます。
時代背景と関連
同時代のドイツ周辺の電子音楽やプログレッシブ・ロックと比べると、Tangerine Dreamはシンセサイザーとシーケンサーの使い方で特に存在感を持っていたグループです。クラウトロックの実験精神を引き継ぎつつ、より広いロックの聴衆に電子音楽を広げたバンドのひとつとして語られることが多いです。
『Exit』は、その流れの中で、バンドの特徴が比較的わかりやすく出た1981年作として位置づけられる一枚です。電子音の反復、ロック寄りの推進力、整った録音の手触り。そのあたりが、この作品の輪郭になっている印象です。
- アーティスト: Tangerine Dream
- タイトル: Exit
- オリジナルリリース年: 1981年
- ジャンル: Electronic, Rock
- スタイル: Ambient, Berlin-School, Prog Rock
トラックリスト
- A1 Kiew Mission (9:18)
- A2 Pilots Of Purple Twilight (4:19)
- A3 Choronzon (4:07)
- B1 Exit (5:33)
- B2 Network 23 (4:55)
- B3 Remote Viewing (8:20)