Paatos – Breathing (2011)
Paatos『Breathing』について
『Breathing』は、スウェーデン・ストックホルムで結成されたプログレッシブ・ロック・バンド、Paatosの作品。オリジナルのリリースは2011年で、こちらの盤は2013年にオランダで出たもの。Paatosは2000年8月に結成され、Reine Fiske、Stefan Dimle、Ricard “Huxflux” Nettermalm、Johan Wallen、Petronella Nettermalmを中心に活動してきたバンドである。
バンドの輪郭
Paatosはストックホルム出身のプログレッシブ・ロック・バンドとして知られる。現在の編成は、Ricard Nettermalmがドラム、パーカッション、プログラミング、Petronella Nettermalmがヴォーカルとチェロ、Peter Nylanderがギター、Ulf Ivarssonがベースという布陣。メンバーの顔ぶれを見ると、ロックの基本編成にチェロやプログラミングも加わる構成で、バンドの音づくりの幅広さがうかがえる。
プログレッシブ・ロックの文脈では、演奏の組み立てや曲展開の作り込みが重視されることが多いが、Paatosもその系譜にあるバンドとして語られることが多い。北欧のプログレ/オルタナ寄りの流れの中で聴かれることもある存在で、同時代のシーンでは繊細な女性ヴォーカルを軸にしたバンドとして名前が挙がりやすい。
『Breathing』の位置づけ
2011年発表の『Breathing』は、Paatosのディスコグラフィーの中でも後期の作品にあたる。結成から10年を超えた時期のリリースで、バンドとしての経験値が反映された時期の録音と見てよさそうだ。2013年盤はオランダでのリリースで、作品そのものは2011年のものとして扱われる。
このバンドは、Reine FiskeやStefan Dimleといったメンバーの関与でも知られていて、北欧プログレ周辺のファンの間ではその人脈も含めて語られることがある。『Breathing』も、そうした流れの中で受け取られてきた作品のひとつと言える。
サウンドの印象
実際に聴くと、Paatosらしい緊張感のあるバンド演奏と、Petronella Nettermalmのヴォーカルが軸にあることがわかる。チェロが入ることで音の重心が低くなり、ギター、ベース、ドラムのロック・バンドとしての推進力に、別の質感が重なる構成。派手に押し切るというより、音数の配置や空気の残し方で曲を進めていくタイプの作品に聴こえる。
プログレッシブ・ロックといっても長大な組曲だけで構成される印象ではなく、曲ごとの流れを追いやすいところもある。北欧のメロディを前面に出すタイプのロックや、静と動の切り替えを重視するバンドと並べて語られることがありそうな内容である。
代表曲について
この作品全体はアルバム単位で聴かれる性格が強く、特定のヒット曲で知られるタイプとは少し違う。むしろ、曲間のつながりやアルバム全体の流れのほうに耳が向く作りで、Paatosの持つバンドとしてのまとまりが見えやすい。
まとめ
『Breathing』は、ストックホルム出身のPaatosが積み重ねてきたプログレッシブ・ロックの手触りを、後期の時期にまとめた作品。2011年のオリジナル盤としては、演奏の精度、Petronella Nettermalmの歌声、チェロを含む編成の個性が見えやすい一枚である。北欧プログレの流れの中でも、バンドの輪郭がはっきり出るタイトルとして受け止められてきた作品だろう。
トラックリスト
- A1 – Gone (5:52)
- A2 – Fading Out (3:36)
- A3 – Shells (5:58)
- A4 – In That Room (4:56)
- A5 – Over & Out (3:31)
- B1 – Breathing (5:56)
- B2 – Smärtan (4:30)
- B3 – Surrounded (4:48)
- B4 – Precious (4:25)
- B5 – No More Rollercoaster (4:15)