Steven Wilson – The Future Bites (2021)

Steven Wilson『The Future Bites』について

『The Future Bites』は、Steven Wilsonが2021年に発表した6作目のソロ・アルバム。リリース国はヨーロッパで、オリジナルの発売も2021年1月29日となっている。ジャンル表記はロック、スタイルはオルタナティヴ・ロックとプログレッシヴ・ロック。Steven Wilsonのソロ作の中でも、時代性のあるテーマと、整理された音像が前に出る作品として位置づけられるアルバムだ。

Steven Wilsonというアーティスト

Steven Wilsonは、イギリス出身のミュージシャン、ソングライター、プロデューサー。Porcupine Treeの中心人物として知られ、ソロ活動では作曲、歌唱、ギター、プロデュースまでを広く手がけてきた。録音音源のリストアやリマスターでも知られていて、作品づくりに対する細かな視点を持つアーティストでもある。

ソロ名義の作品では、プログレッシヴ・ロックを土台にしながら、エレクトロニックな要素やポップの感触を取り込むことが多い。この『The Future Bites』でも、その傾向ははっきりしている。

作品の特徴

本作は、ギター主体のバンド・サウンドだけで押し切るタイプではなく、打ち込みやシンセの質感、整えられたリズム、硬質な音の配置が目立つ一枚。音の輪郭はくっきりしていて、楽曲ごとの構成も比較的コンパクトにまとまっている。プログレッシヴ・ロックの文脈にありながら、長尺で展開を重ねるというより、現代的なポップ・ロックのフォーマットに寄せた印象がある。

タイトルが示す通り、消費社会や現代的なライフスタイルへの視線を感じさせる作りで、音だけでなくコンセプト面でも輪郭が出ている。2020年の発売予定から延期され、2021年1月29日にリリースされたという経緯も、この時期の空気を背負った作品として見えてくる。

曲と聴きどころ

アルバムの中では、先行的に知られた「Personal Shopper」が代表的な楽曲として挙げやすい。長尺の中で反復と展開を組み合わせ、Steven Wilsonらしい構成感を保ちながら、より直接的なビート感も持ち込んでいる。ほかにも、メロディを前に出しつつ、音の密度や編集感で聴かせる曲が並ぶ。

全体としては、従来のプログレッシヴ・ロックの枠に収まりきらない方向へ進んだソロ作品という印象。Porcupine Tree的な流れを知っていると、その延長線上にありながらも、より現代的なプロダクションへ振れた一枚として受け取れそうだ。

まとめ

『The Future Bites』は、Steven Wilsonのソロ活動の中で、コンセプト性と現代的な音作りが前に出た2021年作。オルタナティヴ・ロックとプログレッシヴ・ロックの間を行き来するような内容で、ギター主体のロックに加えて、整えられた電子音や硬質な質感が印象に残るアルバムだ。

トラックリスト

  • A1 Unself (1:06)
  • A2 Self (2:55)
  • A3 King Ghost (4:06)
  • A4 12 Things I Forgot (4:42)
  • A5 Eminent Sleaze (3:52)
  • A6 Man Of The People (4:41)
  • B1 Personal Shopper (9:49)
  • B2 Follower (4:39)
  • B3 Count Of Unease (6:08)

関連動画

2026.06.07