Naxatras – V (2025)

Naxatras『V』について
ギリシャ・テッサロニキ出身のストーナー/サイケデリック・ロック・バンド、Naxatrasによる『V』は、2025年の作品。John Vagenas、Kostas Harizanis、John Delias、Pantelis Kargasの4人編成で、ギター、ドラム、ベース&ボーカル、キーボード/シンセサイザーを軸にした演奏体制になっている。
バンドは2012年結成。『V』は、そうした活動の流れの中で届く作品として位置づけられる。ロックを土台に、サイケデリック・ロック、ストーナー・ロック、プログレッシブ・ロックの要素が重なる構成。厚みのあるギター、低音の押し出し、反復を生かしたリズム、鍵盤やシンセによる広がりが、バンドの輪郭を形づくっている。
サウンドの印象
Naxatrasの持ち味は、重さと浮遊感の両立にある。リズム隊がしっかりと土台を支え、その上でギターがうねり、キーボードが空間を広げる形。音像は密度がありつつも、サイケデリックな質感が前に出やすい。録音の雰囲気も、演奏の生々しさと音の広がりが同居するタイプとして捉えられる。
ストーナー・ロック由来の粘りのあるグルーヴと、プログレッシブ・ロック寄りの展開感が重なるところもポイント。長めのフレーズや反復を軸にしながら、単調に寄りすぎない構成が見えやすいバンドだと言えそうだ。
作品の位置づけ
『V』というタイトルからも、バンドの継続的な歩みの中にある作品であることがうかがえる。2010年代以降のサイケデリック/ストーナー系の流れを背景にしつつ、そこへプログレッシブな要素を加えるNaxatrasの方向性が、ここでも反映されている印象。
ギリシャのロック・シーンの中でも、重厚さだけでなく、鍵盤やシンセを含めた立体的なアレンジを持つバンドとして整理できる。ジャンルの枠内に収まりながらも、演奏の組み立てで個性を出すタイプの作品として見ておきたい一枚。
基本情報
- アーティスト: Naxatras
- タイトル: V
- リリース年: 2025
- 出身: Thessaloniki, Greece
- リリース国: Greece
- ジャンル: Rock
- スタイル: Psychedelic Rock, Stoner Rock, Prog Rock
トラックリスト
- A1 Celestial Gaze (5:05)
- A2 Spacekeeper (5:09)
- A3 Numenia (5:09)
- A4 Utopian Structures (5:29)
- B1 Breathing Fire (5:17)
- B2 Legion (4:51)
- B3 Sand Halo (6:01)
- B4 The Citadel (5:55)
関連動画
Various – The British Psychedelic Trip Vol. 3 1966-1969 (1987)

The British Psychedelic Trip Vol. 3 1966-1969
「The British Psychedelic Trip Vol. 3 1966-1969」は、UKのさまざまなアーティストによる楽曲をまとめたコンピレーション作品である。タイトルが示す通り、1966年から1969年にかけてのブリティッシュ・サイケデリック期を切り取った内容で、ロックとポップの境目を行き来する楽曲群が並ぶ。
作品の輪郭
中心にあるのは、当時の英国ポップスにサイケデリック・ロックの要素が入り込んでいく流れ。ギターの響きに揺れがあり、曲によってはリズムが素直に進まず、少し浮遊感のある展開を見せる。録音の質感も、現在の整った音像というよりは、時代特有のざらつきや奥行きが残るタイプで、そこに60年代後半らしい空気がにじむ。
ポップ寄りのメロディを持つ曲もあれば、演奏面で色彩を強めた曲もあり、ひとつの流れの中で当時の英国シーンの幅が見えやすい構成になっている。派手さだけで押すのではなく、音の重なりやコーラスの処理、リズムの揺れが印象を作る場面が多い。
サウンドの特徴
- ギターのエフェクトや揺れを感じる音作り
- 直線的すぎないリズム、やや漂うようなビート感
- コーラスやオルガン系の響きが前に出る場面
- 録音年代を感じる、少し粗さのある質感
文脈
1960年代後半の英国では、ロックが単なるビート音楽から広がりを見せ、ポップソングにも実験的な感触が入り込んでいった。この作品は、その変化をコンパイル盤という形でたどる一枚として見えやすい。個別のバンドの作品集というより、時代の断面を並べて感じるタイプの内容である。
リリース時期について
盤としては1987年のリリースだが、収録されている音楽は1966年から1969年の空気を映している。作品としては、その時代の英国サイケデリック・ロックとポップ・ロックの流れをまとめたものとして受け取れる。
トラックリスト
- A1 Renaissance Fair
- A2 Miss Pinkerton
- A3 Toffee Apple Sunday
- A4 Green Plant
- A5 Follow Me
- A6 Just One More Chance
- A7 Heavenly Club
- A8 ‘Cos I’m Lonely
- A9 Turquoise Tandem Cycle
- A10 Jenny Artichoke
- B1 Magic Potion
- B2 Cast A Spell
- B3 Deep Inside Your Mind
- B4 The Elf
- B5 Happy Castle
- B6 Death At The Seaside
- B7 Secret
- B8 In My Magic Garden
- B9 Woodstock
- B10 Desdemona
The Incredible String Band – The Big Huge (1969)

The Incredible String Band『The Big Huge』
1969年にUSでリリースされた、The Incredible String Bandの一枚。スコットランド、エディンバラ/グラスゴー出身のサイケデリック・フォーク・バンドとして知られる彼ららしく、フォークの骨格に、当時のサイケデリック・ロックの感触を重ねた作品になっている。
作品の輪郭
アコースティック楽器を軸にしながらも、ただ静かなフォークに寄るだけではないのがこのグループの持ち味だ。曲によってはリズムの跳ね方に独特の軽さがあり、音の重なりも素朴さより密度を感じさせる。録音の空気感も含めて、木の響きと、少し揺らいだ色彩が同居するタイプのサウンドに聴こえる。
アーティストの流れの中で
The Incredible String Bandは1966年に結成されたバンドで、ロビン・ウィリアムソンとマイク・ヘロンを中心に、メンバーの入れ替わりも含めて活動してきた。The Big Hugeは、そうした流れの中で、フォークの伝統感とサイケデリックな拡張を並べて見せる時期の作品として位置づけられるだろう。
同時代との関係
1960年代後半は、フォークがロックの文法と結びついていった時代でもある。この作品も、その文脈の中で理解しやすい一枚だ。アメリカ盤として出たことも含めて、英米のフォーク・ロックやサイケデリック・ロックの流れの近くに置いて聴ける内容になっている。
クレジット
- アーティスト: The Incredible String Band
- タイトル: The Big Huge
- リリース年: 1969年
- リリース国: US
- ジャンル: Folk, World, & Country
- スタイル: Psychedelic Rock, Folk
ひとこと
フォークの素朴さと、サイケデリックな広がりが同じ画面に収まっているような作品だ。The Incredible String Bandの個性が、音の質感として見えやすい一枚、と言えそうだ。
Rainman – Rainman (2021)

Rainman『Rainman』について
Rainmanの『Rainman』は、2021年にヨーロッパでリリースされた作品で、ロックを軸にフォークやワールド系の要素を含む一枚だ。スタイルとしてはフォーク、サイケデリック・ロックに位置づけられていて、バンドサウンドの中に土っぽさや揺らぎのある質感が見えやすい内容として受け取れる。
作品の輪郭
ジャンル表記だけを見ても、硬質なロックの推進力と、フォーク由来の素朴さが同居するタイプの作品像が浮かぶ。リズムは前へ押し出すだけでなく、少し間を取るような組み立てにもなりやすく、音の重なりや響きの残り方に耳が向きやすい構成が想像される。録音の雰囲気も、現代的に整えられた輪郭の中に、少しざらついた空気感が入るタイプかもしれない。
サウンドの印象
フォークとサイケデリック・ロックの組み合わせは、旋律の親しみやすさと、音像の少しゆらぐ感じが並びやすいのが特徴だ。アコースティックな手触り、繰り返しのリフ、空間のあるミックスといった要素が重なると、楽曲全体に落ち着いた推進力が出る。『Rainman』も、そうした文脈の中で聴かれる作品として捉えやすい。
位置づけと背景
アーティストプロフィールやメンバー情報は確認できないが、2021年のヨーロッパ発という点では、クラシックなロックやフォークの系譜を現在の感覚で引き継ぐ作品の一つとして見られる。サイケデリック・ロックの要素も含むため、60年代以降の流れを意識した響きと、フォーク寄りの素朴さが交差する位置づけだと考えられる。
まとめ
『Rainman』は、ロック、フォーク、ワールド系の要素を土台にしながら、フォークとサイケデリック・ロックの間を行き来するような作品として整理できる。派手に装飾するというより、音の質感やリズムの運びで個性を出すタイプの一枚に見える。
参考情報として、アーティスト関連サイトは こちら だ。
Red Eye – The Cycle (2022)
Red Eye『The Cycle』(2022)
スペイン出身のRed Eyeによる『The Cycle』は、2022年にリリースされたドゥームメタル/サイケデリック・ロック/ストーナー・ロック作品。2016年に活動を始めた4人組で、スペイン南部アンテケラの土地の空気感や、古い石造遺跡を思わせる重さと神秘性を背景に、プリミティブなロック感覚と現代的な構成をつないでいるバンドだといえる。
作品の輪郭
この作品では、太く引きずるようなリフと、サイケデリックな広がりを持つギター感触が軸になっている。ドゥームメタルらしい遅めの重心、ストーナー・ロック寄りの乾いた質感、そしてサイケデリック・ロックの揺らぎが同居する構成。メロディックな歌唱と荒々しい歌唱の両方を取り入れている点も特徴で、単に重いだけではない起伏のある流れになっているようだ。
録音の雰囲気は、過度に磨き上げるというより、バンドの塊感やリフの圧を前に出す方向に寄っている印象。音数を詰め込みすぎず、各パートの重量感がそのまま伝わるタイプの作り方といえる。
Red Eyeというバンドの位置づけ
Red Eyeは、伝統的なドゥームやサイケ寄りの重厚なロックを土台にしながら、古いロックの感触を現代的に組み直しているバンドとして紹介されている。プロフィールにある通り、IommiやPikeを強い参照点として挙げられるような、ヘヴィなリフの系譜にある音作りが中心だ。
『The Cycle』は、そうした方向性を示す2022年時点の作品として、バンドの核になる要素がまとまった一枚と見られる。
ジャンルの文脈
ドゥームメタル、ストーナー・ロック、サイケデリック・ロックが近い場所で交差する流れの中にある作品。重さ、反復、ざらついたギター、そして少し幻惑的な広がりという、ジャンルの基本要素が素直に置かれている。
- アーティスト: Red Eye
- タイトル: The Cycle
- リリース年: 2022
- 国: Spain
- ジャンル: Rock
- スタイル: Doom Metal, Psychedelic Rock, Stoner Rock