Fred Katz – The Little Shop Of Horrors (1984)
Fred Katz『The Little Shop Of Horrors』について
Fred Katzによる『The Little Shop Of Horrors』は、1984年にUSでリリースされたサウンドトラック作品。ジャズを軸にしながら、Stage & Screenの文脈でも語られる一枚で、作曲家、チェロ奏者、ピアニストとして知られるKatzの仕事がまとまっている。
作品の位置づけ
Fred Katzは、クラシックの教育を受けたうえでジャズや映像音楽の分野でも活動した人物で、Chico Hamilton Quintetでの演奏や作曲でも知られる。そうした経歴を踏まえると、この作品も単なる伴奏音楽というより、室内楽的な感覚とジャズの要素が交差するタイプのサウンドとして捉えやすい。
『The Little Shop Of Horrors』というタイトルは、同名作品に結びつくサウンドトラックとして位置づけられ、1984年のリリース当時の映画・舞台系音源の流れの中に置ける内容。Fred Katzのディスコグラフィーの中でも、作曲家としての側面が前面に出るタイトルと言えそうだ。
サウンドの印象
音の中心にあるのは、ジャズの編成感と映像作品向けの書法。チェロを含む弦の響きや、楽曲ごとの場面展開が想像しやすい作りで、いわゆるストレートなジャズ盤とは少し違う手触りがある。Stage & Screenの作品らしく、曲ごとのキャラクターが立ちやすいタイプのアルバムだ。
同時代の文脈
Fred Katzは、Chico Hamilton周辺の仕事でも知られていて、1950年代のクールな室内楽ジャズや、映画音楽的なアプローチと近い感覚を持つアーティストとして見られることが多い。そうした文脈の中では、ジャズ・コンボの即興性と、作曲家としての構成力の両方が意識される存在。
ひとこと
『The Little Shop Of Horrors』は、Fred Katzのクラシカルな素養とジャズの語法が、映像作品のための音楽としてまとまった一枚。1984年という時代のサウンドトラックらしい雰囲気の中に、Katzらしい書法が見える作品だ。
トラックリスト
- A1 The Little Shop Of Horrors (Main Title) (2:30)
- A2 Music For Old Invalids (1:58)
- A3 Sick Room Serenade (2:11)
- A4 Moonlight On Skid Row (1:58)
- A5 Feed Me! (0:45)
- A6 Another Drop (0:17)
- A7 Looking For Food (1:02)
- A8 The Passionate People Eater (3:38)
- A9 Feed Me More! (1:39)
- A10 Fancy Schmancy Dinner Music (2:31)
- B1 The Krelboined Bop (2:00)
- B2 Fooooood! (1:32)
- B3 Unpleasant Surprise (1:01)
- B4 How’s The Rain On The Rhubarb? (2:34)
- B5 In Memory Of Luther Burbank (2:44)
- B6 Schmendrick Theme (0:32)
- B7 Blink, Blink (1:19)
- B8 Shut Up And Bring On The Food! (1:13)
- B9 Babysitting For Junior (0:46)
- B10 Sexy Audrey Senior (0:56)
- B11 Exciting Chase Sequence (2:23)
- B12 Full Bloom (0:26)
- B13 I Didn’t Mean It (The End) (0:17)
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Pinski Zoo – Introduce Me To The Doctor… (1981)
Pinski Zoo『Introduce Me To The Doctor…』について
『Introduce Me To The Doctor…』は、UKのジャズ/ロック系ユニット、Pinski Zooによる1981年作。サックス奏者Jan Kopinskiを中心にした編成で、ジャズの即興性とロックの推進力を行き来するグループとして知られる一枚だ。
バンドの核にあるのは、Jan Kopinskiのサックスを軸にしたアンサンブル。メンバーにはWojciech Konikiewicz、Steve Harris、Mick Nolan、Tim Nolan、Tim Bullock、Steve Iliffeが名を連ねる。編成の厚みを生かした、曲ごとの展開を追うタイプの作品という印象がある。
サウンドの印象
ジャンル表記はJazz、Rock、スタイルはExperimental。リズムは一定のビートに寄り切らず、フレーズの受け渡しや間の取り方で進む場面が目立つ。サックスの前に出る場面と、バンド全体で組み立てる場面が交互に現れる構成で、音の質感も少しざらついた手触り。
フリージャズ寄りの動き、ロック由来の直進性、さらに映画音楽や東欧音楽の要素も背景にあるというバンドの来歴が、そのままサウンドの骨格になっているような内容。単純なジャズ・ロックというより、複数の要素をつないだ実験色の強い作品として捉えやすい。
アーティストの位置づけ
Pinski Zooは、Jan Kopinskiを中心に20年以上活動を続けてきたグループで、ジャズ界での受賞歴や大物アーティストのサポート歴もある。そうしたキャリアの出発点に近い時期の作品として見ると、この時点ですでにバンドの方向性がはっきりしていたことがうかがえる。
1980年代初頭のUKでは、ジャズとロック、さらに実験音楽をまたぐ動きがさまざまな形で現れていたが、この作品もその流れの中に置いて考えやすい。きっちりした様式に収めるより、演奏の組み立てそのものを聴かせるタイプの一枚という印象。
まとめ
『Introduce Me To The Doctor…』は、Pinski Zooの左寄りのジャズ/ファンク感覚を、ジャズとロックの交差点で示した1981年の作品。サックス主導のアンサンブル、実験色のある展開、そしてUKらしい硬質なバンド感が同居する内容だ。
トラックリスト
- A1 Zawse…Znowu (9:35)
- A2 Strutter Strut (4:50)
- A3 Here In My Zoo (9:32)
- B1 Iron Lung (5:31)
- B2 Walking With My Monkey (5:34)
- B3 Introduce Me To The Doctor… (10:24)
- B4 Pink Lint (1:15)
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Passport – Garden Of Eden (1979)
Passport「Garden Of Eden」について
「Garden Of Eden」は、ドイツのジャズ・フュージョン・バンド、Passportの1979年作。Klaus Doldingerを中心に1970年に結成され、Passport名義では1971年から活動してきたグループの、70年代後半の一枚にあたる作品だ。ジャンルとしてはJazzを軸に、Fusion、Jazz-Funk、Prog Rockの要素が重なる内容。
Passportというバンドの位置づけ
Passportは、Klaus Doldingerのサックスを核に、編成やメンバーを変えながら活動してきたユニットとして知られている。ジャズの即興性を保ちながら、ロック寄りの推進力やファンクのリズム感を取り込んでいく流れが、このバンドの持ち味として見えやすい。1979年の「Garden Of Eden」も、その延長線上に置ける作品といえそうだ。
サウンドの輪郭
この時期のPassportらしく、演奏の軸は明確なビートと電気的な質感にある。ジャズのフレーズが前に出つつ、リズム隊は一定の推進力を保ち、曲によってはジャズ・ファンク寄りの粘りも感じられる。そこにプログレッシブ・ロック由来の展開感が重なる場面もあり、単純にジャズの枠だけでは収まりにくい作り。
音の印象としては、70年代後半のフュージョンらしい、楽器同士の密度が高いアンサンブル。サックス、キーボード、ベース、ドラムがそれぞれ役割を持ちながら進んでいくタイプで、リズムの組み立てが聴きどころになりやすい。
時代背景とジャンルの文脈
1979年は、ジャズ・フュージョンが広く定着していた時期でもある。Passportのように、ヨーロッパ発のジャズ・ロック/フュージョンを展開するバンドは、同時代のWeather ReportやReturn to Forever、Mahavishnu Orchestra周辺の流れと並べて語られることが多い。もっとロック寄りの感触では、ジャズとプログレをまたぐ作品群との共通点も見えやすい。
参加メンバーについて
クレジットにはKlaus Doldingerをはじめ、Udo Lindenberg、Alphonse Mouzon、Curt Cress、Wolfgang Haffner、Kristian Schultze、Patrick Scales、Peter O’Maraら、多くの名前が並ぶ。Passportが時期ごとに柔軟な編成でサウンドを組み立ててきたことを示す顔ぶれだ。
作品としての見どころ
「Garden Of Eden」は、Passportのフュージョン路線がはっきり見える1979年のアルバムとして捉えやすい一枚。ジャズの演奏力、ファンクのリズム、ロックの推進力が重なった作品で、バンドの70年代後半の姿を確認できる内容になっている。
トラックリスト
- A1 Big Bang (3:53)
- Garden Of Eden
- A3 Snake (4:49)
- B1 Gates Of Paradise (3:47)
- B2 Dreamware (5:00)
- B3 Good Earth Smile (5:04)
- B4 Children’s Dance (3:39)
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Krokofant – Q (2019)
Krokofant『Q』について
『Q』は、ノルウェー・Kongsberg出身のジャズ/プログレッシブ・トリオ、Krokofantによる2019年の作品。メンバーはAxel Skalstad、Jørgen Mathisen、Tom Hasslanの3人で、ジャズとロックの要素を軸にした編成になっている。
バンド紹介でも触れられている通り、Krokofantはプログレッシブ・ロックとジャズの両方のリスナーに向けた要素を持つグループで、推進力のあるリズム、メロディの厚み、演奏力の高さが特徴とされる。『Q』でも、その方向性がそのまま表れている印象だ。
サウンドの印象
ジャンル表記はJazz、Rock、スタイルはFusion、Prog Rock。音の作りとしては、ジャズ由来の即興性と、ロック寄りの直線的なドライブ感が並ぶ構成になりやすいタイプの作品といえる。リズムは前へ進む力があり、ギター、サックス、ドラムの絡みで密度を作る展開が中心になっている。
質感としては、演奏の輪郭がはっきりしたタイプ。複雑な拍子や細かな展開を使いながらも、フレーズの流れは比較的つかみやすい部類に入る。ジャズ・ロックの文脈でいえば、フュージョンの流れとプログレッシブ・ロックの構成感が重なる位置づけ。
作品の位置づけ
Krokofantは、ジャズとプログレッシブ・ロックの接点にあるバンドとして知られている。『Q』もその路線を示す2019年の1枚で、バンドの持ち味である演奏の精度と、バンド全体の一体感が前面に出る作品として見られる。
同時代のジャズ・ロックやプログレッシブ系の作品と比べても、派手な装飾より演奏の密度を軸にしている点が目につく。北欧のジャズ・ロックらしい整理された音像と、ロックバンドとしての押し出しが同居するところが、このグループの特徴になっている。
まとめ
『Q』は、Krokofantの持つジャズとロックの接点を、2019年時点の形で示した作品。メロディ、推進力、演奏の緊張感が並ぶ一枚として、バンドの輪郭をつかみやすい内容になっている。
トラックリスト
- A1 Q – Part 1
- A2 Q – Part 2
- B1 Q – Part 3
- B2 Q – Part 4
- CD1 Q – Part 1
- CD2 Q – Part 2
- CD3 Q – Part 3
- CD4 Q – Part 4
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Mauro Pagani – Mauro Pagani (1978)
Mauro Pagani / Mauro Pagani
イタリアのコンポーザー、マルチ・インストゥルメンタリストであるMauro Paganiのセルフタイトル作。オリジナルは1978年、ここで扱う盤は1979年のリリースになる。ジャズ、ロック、フォーク、ワールド・ミュージックをまたぐ内容で、スタイル面ではフュージョンとアヴァンギャルドに位置づけられている。
作品の輪郭
Paganiは、Premiata Forneria Marconiでフルートとヴァイオリンを担当していた経歴でも知られる人物。このソロ作でも、そうした出自がそのまま反映されたような、楽器の動きが前面に出る構成が想像しやすい。ロックの推進力に、ジャズ寄りの即興性やフォーク由来の音色感が重なるタイプの作品として捉えられる。
リズムは直線的に押し切るというより、拍の置き方に揺れや間がありそうな作り。音の質感も、電気的なバンド・サウンドだけでなく、アコースティックな響きや管弦的なレイヤーが混ざる印象がある。ジャンル表記どおり、整理されたロック盤というより、複数の要素を行き来する構成のレコードといえる。
当時の文脈
1970年代後半のイタリア周辺では、プログレッシブ・ロックの流れを受けつつ、ジャズや民族音楽の要素を取り込んだ作品が少なくない。Mauro Paganiのこのアルバムも、その文脈の中で語られることが多そうな一枚。PFMでの活動を経たソロ作という点でも、バンドの枠を外れて個人の音楽性を示す位置づけが見えてくる。
サウンドの印象
派手な歌モノというより、演奏の組み立てや音色の切り替えに目が向くタイプ。フルート、ヴァイオリン、ギター、パーカッションなどの組み合わせから、旋律の連なりとリズムの重なりが少しずつ形を変えていくような手触りがありそうだ。ジャズ・ロックの緊張感と、フォーク的な土台が同居する感覚。
作品としての位置づけ
セルフタイトルということもあり、Mauro Pagani自身の音楽的な輪郭を示す意味合いが強い作品として見やすい。PFMのメンバーとして知られる前歴と、その後の作曲家・プロデューサーとしての活動をつなぐ、ひとつの節目のような存在。イタリアン・プログレやフュージョンの周辺に関心を向けると、自然に視界に入ってくるアルバムだろう。
トラックリスト
- A1 Europa Minor (6:03)
- A Argiento (4:41)
- A3 Violer D’Amores (2:39)
- A4 La Città Aromatica (3:32)
- B1 L’Albero Di Canto (Part 1) (4:50)
- B2 Choron (5:23)
- B3 Il Blu Comincia Davvero (5:13)
- B4 L’Albero Di Canto (Part 2) (3:51)
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The Golden Palominos – The Golden Palominos (1983)
The Golden Palominos / The Golden Palominos
1983年に登場した、The Golden Palominos名義のファースト・アルバム。米国とカナダを拠点にしたプロジェクトで、Anton Fierを中心に動いている点が大きな特徴になっている。ジャズ、ロック、ファンク/ソウルをまたぐ構成で、抽象的な感触とフリー・ファンク、アヴァンギャルド寄りの要素が交差する1枚。
作品の輪郭
このアルバムでは、Bill Laswell、Arto Lindsay、Bootsy Collins、Nicky Skopelitis、John Zorn、Syd Straw、Lori Carson、David Moss、Peter Blegvad、Jody Harris、Amanda Kramer、Lydia Kavanaghといった名前が並ぶ。参加メンバーの顔ぶれだけ見ても、ひとつのバンドというより、異なる背景の演奏者が集まったプロジェクト作品としての性格が伝わってくる。
サウンドは、一定のビートを土台にしながらも、演奏の隙間や音色の切り替えが目立つタイプ。ファンクのグルーヴ、ロックの推進力、ジャズ由来の即興性が同じ曲の中でぶつかり合う場面もありそうな内容で、まとまりよりも動きの多さが印象に残る構成になっている。
当時の文脈
1980年代前半のニューヨーク周辺を思わせる、ジャンルの境界をまたぐ流れの中に置くと見えやすい作品でもある。Bill LaswellやJohn Zornの周辺で語られるような、実験性の強いロック/フリー・ミュージックの文脈とも重なりやすい。ファンクの身体感覚と、前衛的な処理が同居するところが、この時期らしいポイントになっている。
位置づけ
The Golden Palominosにとっては、プロジェクトの出発点にあたる作品。Anton Fierが中心に立ち、参加者を入れ替えながら音の方向を作っていく形の原型として捉えやすい。後年の展開を知る前提でも、この1枚には最初期ならではの輪郭の強さがある。
ひとこと
ジャンル名だけでは収まりきらない組み合わせで、リズムの重さと音の飛び方が同居するアルバム。1983年の作品として、ジャズ、ロック、ファンクの交差点にある記録という見方がしやすい。
トラックリスト
- A1 Clean Plate (6:32)
- A2 Hot Seat (5:13)
- A3 Under The Cap (5:32)
- A4 Monday Night (6:29)
- B1 Cookout (4:38)
- B2 I.D. (6:45)
- B3 Two Sided Fist (7:42)
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Various – Puissance 13+2 (1971)
Various『Puissance 13+2』について
『Puissance 13+2』は、Various名義でまとめられた1971年の作品。ジャズ、ロック、ポップの要素をまたぎながら、ジャズ・ロック、シャンソン、サイケデリック・ロック、プログレッシブ・ロックの文脈に置かれるタイトルです。US盤として2016年にリリースされた盤で、オリジナルは1971年にさかのぼります。
作品の輪郭
Various名義のコンピレーション的な性格がうかがえるタイトルで、ひとつのバンド作品というより、複数の楽曲や演奏を通して当時の音楽性を切り取る構成として受け取れる作品です。ジャズ由来のリズム感に、ロックの推進力、ポップの耳なじみやすさが重なり、そこにシャンソン的な歌ものの要素や、サイケデリック、プログレ寄りの展開が加わる流れ。
音の質感としては、ビートの立った演奏と、楽曲ごとに色合いの変わるアレンジが見どころになりやすいタイプです。リズムは直線的に進むだけでなく、ジャズ・ロックらしい揺らぎや、プログレ的な構成の変化を含む場面も想像しやすい内容。派手に押し切るというより、曲ごとの表情の差で聴かせる作品像です。
1971年という時代感
1971年は、ロックが細分化し、ジャズと接近したスタイルや、サイケデリック以降の拡張感を持つ作品が多く見られた時期です。この『Puissance 13+2』も、そうした時代の空気の中で、ジャンルの境目をまたぐ作りに位置づけられるタイトルといえそうです。プログレやジャズ・ロックの流れと、歌ものとしてのフレーズ感が同居する点が、この時代らしいところ。
聴きどころの整理
- ジャズ、ロック、ポップをまたぐ構成
- ジャズ・ロックらしいリズムの動き
- シャンソン由来の歌もの感
- サイケデリック・ロック、プログレ・ロック寄りの展開
- 曲ごとの色の違いを楽しめるタイプの作品
まとめ
『Puissance 13+2』は、1971年のジャンル横断的な音作りを示すVarious名義の作品。ジャズ・ロックを軸にしながら、ポップやシャンソン、サイケデリック、プログレの要素が重なるあたりに、当時の広がりが見える一枚です。作品全体としては、曲ごとの表情の違いと、時代特有のクロスオーバー感が印象に残るタイトルといえます。
トラックリスト
- A1 All’s So Comic (Introduction) (2:32)
- A2 All’s So Comic (3:23)
- A3 Mekanik Kommando (5:55)
- A4 Arkham (3:16)
- B1 Un Hini A Garan (4:09)
- B2 Here’s To You (1:25)
- B3 Informer Blues (3:46)
- B4 Been Gone So Long (5:55)
- B5 Bill Bailey (2:39)
- C1 I’m On My Way (3:50)
- C2 Ils N’Ont Rien Compris (4:56)
- C3 Unfathomable Of The Seventh Time (8:10)
- C4 Aria Populaire (2:03)
- D1 Promenade (2:53)
- D2 Charles (8:40)
- D3 On A Tapé (3:00)
- D4 Iguane (5:25)
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Hubert Laws – Family (1980)
Hubert Laws『Family』
Hubert Lawsの『Family』は、1980年にUSでリリースされた作品。ジャズを軸に、ファンクやソウルの要素を交えたソウル・ジャズとしてまとまっている。フルート奏者として知られるHubert Lawsらしい作品で、同時代のジャズ・ファンクやクロスオーバーの流れともつながる1枚。
アーティストについて
Hubert Lawsは1939年11月10日、テキサス州ヒューストン生まれのフルート奏者。サックス奏者Ronnie Laws、ボーカリストのEloise LawsやDebra Lawsの兄としても知られている。ジャズの文脈の中で活動しながら、ソウルやファンク寄りの感触も取り込んできたプレイヤーで、この『Family』にもその感覚が表れている。
サウンドの印象
フルートを中心にした、リズムの立った演奏が軸。ジャズの流れを保ちながら、ベースやドラムのグルーヴが前に出る構成で、ソウル・ジャズらしいまとまりがある。音の質感は、80年当時のUS録音らしい整理された響きで、楽器同士の輪郭も追いやすい印象。
同じ時期のジャズ・ファンクやフュージョンの作品と並べて見ても、Hubert Lawsのフルートが中心にある点がはっきりしている。旋律をなぞる場面と、リズムに乗って進む場面の切り替えが自然で、ジャンルの境目をまたぐような作り。
作品の位置づけ
『Family』は1980年時点のHubert Lawsの活動を示す作品のひとつ。ジャズ、ファンク、ソウルの要素をまとめた内容で、ソウル・ジャズという枠組みの中に置くと見えやすい。タイトルのとおり、身近さやまとまりを感じさせる作品名でもある。
関連する文脈
- ジャンル:Jazz / Funk / Soul
- スタイル:Soul-Jazz
- フルートを主役にしたジャズ・ファンク寄りの流れ
- 1970年代後半から80年代初頭のクロスオーバー感覚
Hubert Lawsの演奏を軸に、ジャズの語法とソウル/ファンクのリズム感が重なる作品。派手に装飾するというより、演奏の組み立てとグルーヴで聴かせるタイプの1枚。
トラックリスト
- A1 Ravel’s Bolero (8:42)
- A2 What A Night (8:29)
- A3 Wildfire (5:10)
- B1 Family (7:33)
- B2 Memory Of Minnie (Riperton) (7:09)
- B3 Say You’re Mine (4:29)
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The Sun Ra Arkestra – When Angels Speak Of Love (1966)
The Sun Ra Arkestra『When Angels Speak Of Love』
The Sun Ra Arkestraによる『When Angels Speak Of Love』は、1966年に登場したフリー・ジャズ作品である。Sun Raを中心に活動してきた大編成のアンサンブルが、即興性と構成の両方を強く打ち出していた時期の録音として位置づけられる。
作品の輪郭
本作では、管楽器を軸にしたアンサンブルの重なりが前面に出る。リズムは一定の拍を強く刻むというより、場面ごとに揺れながら進む構成で、音の出入りや間の取り方が印象に残る。録音の質感も、スタジオ作品らしい輪郭を保ちながら、演奏の密度がそのまま伝わるタイプである。
ジャンル表記としてはフリー・ジャズ、アヴァンギャルド・ジャズ、スペース・エイジが並ぶ。実際にも、ジャズの基本形を保ちながら、編成の動きや音色の組み合わせで独自の広がりを作る内容になっている。
Sun Ra Arkestraの中での位置
1960年代のSun Ra Arkestraは、Sun Raの作曲観とバンド全体の集団即興が強く結びついていた時期である。本作もその流れの中にあり、個々のソロを並べるだけでなく、アンサンブル全体の流れを聴かせる作りが特徴といえる。
Sun Raの作品は、Sun Ra名義で発表されたものも多いが、このアルバムはArkestraの名を冠したリリースとして、バンドのまとまりを意識しやすい1枚である。1966年という年の空気をそのまま閉じ込めたような、当時の実験性が感じられる内容である。
同時代とのつながり
同じ時代のフリー・ジャズやアヴァンギャルド・ジャズと比べると、Sun Ra Arkestraは強い前進感だけでなく、音色の配置や宇宙的なイメージを伴う点が目立つ。Albert AylerやOrnette Coleman周辺の流れと並べて語られることもあるが、Sun Ra Arkestraはより大編成の色彩感と劇的な展開に特徴がある。
『When Angels Speak Of Love』は、そうしたArkestraの個性がはっきり出る時期の記録として、1960年代ジャズの広がりを示す作品のひとつである。
トラックリスト
- A1 Celestial Fantasy (5:52)
- A2 The Idea Of It All (7:30)
- A3 Ecstasy Of Being (9:50)
- B1 When Angels Speak Of Love (4:32)
- B2 Next Stop Mars (17:55)
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Bill Bruford’s Earthworks – Earthworks (1987)
Bill Bruford’s Earthworks「Earthworks」について
Bill Bruford’s Earthworks名義による「Earthworks」は、1987年にUKで登場したジャズ作品。アーティスト名そのものを冠したタイトルで、バンドの初期像をそのまま示すような位置づけの1枚になっている。Bill Brufordはドラマーとして知られ、このプロジェクトでもリズムの組み立てが作品全体の軸になっている印象がある。
作品の輪郭
ジャンルはJazz、スタイルはFusionとContemporary Jazz。演奏の重心は、いわゆるロック寄りの推進力よりも、細かいリズムの運びやアンサンブルの絡みに置かれているように見える。ドラムが前に出すぎず、各楽器の動きが噛み合う構成。録音も、各パートの輪郭を追いやすいタイプの仕上がりとして受け取れる。
メンバーにはBill Brufordのほか、Mick Hutton、Iain Ballamy、Tim Harries、Tim Garland、Django Bates、Patrick Clahar、Mark Hodgson、Steve Hamiltonといった名前が並ぶ。時期によって編成の変化があるバンドなので、個々の奏者の個性が作品ごとに表れやすいグループでもある。
Bill Brufordにとっての位置づけ
Earthworksは、1986年に結成された英国のジャズ・バンドで、2009年まで活動した。Bill Brufordのキャリアの中では、プログレッシブ・ロックの文脈で知られる活動とは別に、ジャズの側面を前面に出したプロジェクトとして見られることが多い。1987年作のこのアルバムは、その出発点にあたる作品として扱える。
同時代の文脈
1980年代後半の英国ジャズは、フュージョンの要素とコンテンポラリー・ジャズの感覚が重なる場面が多く、この作品もその流れの中に置けそうだ。複雑な拍子感やアンサンブル重視の作りは、同時代のジャズ・ロックや英国系の実験性とも近い印象につながる。
まとめ
「Earthworks」は、Bill Brufordのドラマーとしての視点が前に出た、1987年の英国ジャズ作品。リズムの組み立て、楽器同士の応答、ジャンルの境目をまたぐ編成感、そのあたりが見どころになっている。
トラックリスト
- A1 Thud (4:10)
- A2 Making A Song And Dance (5:52)
- A3 Up North (5:19)
- A4 Pressure (7:25)
- B1 My Heart Declares A Holiday (4:35)
- B2 Emotional Shirt (4:45)
- B3 It Needn’t End In Tears (5:04)
- B4 The Shepherd Is Eternal (1:50)
- B5 Bridge Of Inhibition (4:15)
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Tom Waits – Small Change (1976)
Tom Waits『Small Change』について
Tom Waitsの『Small Change』は、1976年にリリースされた作品。ジャズ、ロック、フォーク、ワールド/カントリーの要素をまたぎながら、ブルース・ロックを軸にした1枚として位置づけられる。1973年の『Closing Time』に続く時期の作品で、Tom Waitsの初期像をつかむうえで重要なタイトルのひとつになっている。
作品の輪郭
この時期のTom Waitsは、歌詞の運びや語り口、しゃがれた声で強く印象を残す存在。『Small Change』でも、その特徴ははっきりしている。ジャズ寄りの空気感や、ブルースを土台にした進行、ロックの感触が重なり、楽曲ごとに場面が切り替わるような構成が見えてくる。
録音の雰囲気は、派手に作り込むというより、曲の輪郭や声の質感を前に出す方向。リズムは一定のテンポ感を保ちながらも、曲によってはゆるやかに揺れ、バンドの鳴りと歌が近い距離で並ぶ印象がある。
Tom Waitsというアーティストの中で
Tom Waitsは1949年12月7日、カリフォルニア州ポモナ生まれ。初期は『Closing Time』で知られ、その後、ブルースやビート詩の影響を背景に、独自のソングライティングを深めていく。『Small Change』は、その流れの中で、彼の声と詞の個性がより前面に出てくる時期の作品として見られることが多い。
また、Tom Waitsは音楽だけでなく映画でも存在感を持つ人物で、フランシス・フォード・コッポラ、コーエン兄弟、ジム・ジャームッシュ、テリー・ギリアム、ロバート・アルトマンらの作品に出演している。音楽と映像の両方で、独特の立ち位置を築いてきたアーティストといえる。
同時代とのつながり
1970年代半ばのアメリカでは、シンガーソングライター的な語り口と、ブルースやジャズの要素を取り込んだ作品が並んでいた。Tom Waitsの『Small Change』も、その文脈の中に置ける一枚。Howlin’ Wolfのようなブルースの系譜や、Jack Kerouacに通じるビート的な感覚が、歌詞や声の運びに滲むところがある。
ひとこと
『Small Change』は、Tom Waitsの初期キャリアの流れを追ううえで外せない1976年作。ブルース・ロックを軸に、ジャズやフォークの気配も混ざる内容で、彼の声と言葉の個性がよく見える作品。
トラックリスト
- A1 Tom Traubert’s Blues (6:40)
- A2 Step Right Up (5:39)
- A3 Jitterbug Boy (3:41)
- A4 I Wish I Was In New Orleans (4:50)
- A5 The Piano Has Been Drinking (Not Me) (3:37)
- B1 Invitation To The Blues (5:20)
- B2 Pasties And A G-String (2:32)
- B3 Bad Liver And A Broken Heart (4:46)
- B4 The One That Got Away (4:00)
- B5 Small Change (5:03)
- B6 I Can’t Wait To Get Off Work (3:20)
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Les Maledictus Sound – Les Maledictus Sound (1968)
Les Maledictus Sound / Les Maledictus Sound
Les Maledictus Sound は、1968年にイタリアで発表された、フランスの musique concrète 系サイケデリック・コンセプト・グループによるアルバム。Jean-Pierre Massiera が中心となって制作した作品で、ジャズ、ロック、ポップの要素をまたぎながら、サイケデリック・ロックとイージーリスニングの感触を同居させた1枚として知られている。
作品の輪郭
全体としては、演奏のまとまりよりも、編集や構成の感覚が前に出るタイプの内容。ビートは一定の推進力を保ちながらも、曲ごとに場面が切り替わるような作りで、録音の質感にも時代らしい独特の空気がある。ロック寄りの動きと、軽快な聴き心地を持つパートが並ぶあたりに、この作品ならではのバランスが見える。
ジャンルの並びだけを見ると幅広いが、実際には60年代後半の実験性とポップ感覚が交差する位置づけ。サイケデリック・ロックの文脈に置きつつ、同時に当時のフレンチ・ポップやライブラリー的な発想ともつながるような作りになっている。
アーティストとしての位置づけ
Les Maledictus Sound は1968年に1枚のアルバムを残したグループで、Jean-Pierre Massiera が率いたプロジェクトとして整理されることが多い。メンバーには Jean-Claude Chavanat、André Ceccarelli、Patrick Djivas らが名を連ねており、制作陣の顔ぶれからも、単なるバンド作品というより、当時のフランス周辺のスタジオ感覚が強く出た企画性のある作品として捉えやすい。
タイトルにまつわる扱い
このアルバムは、Attention や Jim-Clark、L’Experience 9 といった別題で語られることもある。いずれも同じ音楽を別の曲名でまとめた形として扱われることがあり、資料によって表記が揺れる作品でもある。
聴きどころの印象
- ロックのリズムを土台にした曲構成
- イージーリスニング寄りの明るさと、サイケデリックな処理の同居
- 録音や編集の手つきに出る、60年代末らしいスタジオ作品の気配
- ジャズ系の演奏感が下支えする、流れのあるアンサンブル
2000年には別の盤として再登場しており、オリジナルの1968年盤とはリリース年が異なる。60年代末の実験的なフレンチ・サイケを、イタリア盤としてたどれる一作として見ていくと、当時の欧州ポップ周辺のつながりも見えやすい。
トラックリスト
- A1 Kriminal Theme (2:35)
- A2 The Whistler (2:55)
- A3 Inside My Brain (2:40)
- A4 Blues Section Club (2:50)
- A5 Concerto Genocide (2:50)
- A6 Transfer From The Modulation (2:55)
- A7 Am Stram Gram (2:30)
- A8 Entrac Theme (2:15)
- B1 Radio Pirat Program (2:35)
- B2 Stupidly Made In Gaulle (2:25)
- B3 Jim Clark Was Driving Recklessly (2:15)
- B4 Dark Sky (2:30)
- B5 Crazy Circus (2:45)
- B6 Art Director (2:25)
- B7 Heathcliff Y Cry Your Name (2:50)
- B8 Monstrer Cocktail (2:35)
Dexter Wansel – Life On Mars (1976)
Dexter Wansel「Life On Mars」について
Dexter Wanselの「Life On Mars」は、1976年にリリースされたソロ作品で、フィラデルフィア出身のキーボード奏者、作曲家、アレンジャー、プロデューサーとしての持ち味がよく出た1枚である。ジャズ、ファンク、ソウル、R&Bを横断する音作りで知られるWanselらしく、ここでも鍵盤を軸にした演奏と、当時のフィリー・ソウル周辺の洗練された空気がまとまっている。
サウンドの印象
収録曲は、ジャズ・ファンクやフュージョン、ディスコの要素を含みつつ、リズムの輪郭がはっきりした作りが印象的である。ベースとドラムが前に出る場面でも、上もののシンセやコードワークが細かく動き、音の層が厚い。録音全体も、70年代のソウル作品らしい整った質感で、派手さよりも編曲の流れが聴きどころになっている。
Dexter Wanselにおける位置づけ
Wanselは、Philadelphia International Recordsのサウンド形成に深く関わった人物としても知られている。「Life On Mars」は、その活動と並行して展開されたソロ作のひとつで、作曲家・アレンジャーとしての手腕が前面に出た作品といえる。のちの「Voyager」や「Time Is Slipping Away」と並べて語られることも多く、70年代モダン・ソウルの流れの中で見ても重要なタイトルである。
同時代とのつながり
この時期のフィラデルフィア周辺では、洗練されたストリングス・アレンジや滑らかなグルーヴを持つソウル作品が多く生まれていた。Dexter Wanselの音楽もその文脈にありつつ、シンセサイザーの使い方やジャズ寄りのコード感によって、より機械的な質感と都会的な空気を加えている。ジャズ・ファンク、フュージョン、ソウルの境目を行き来する感触で、同時代のプロデュース作品とも自然に接続する内容である。
作品まわりのエピソード
この作品のLPジャケットには、Rudolph de Harakによる“The Light Tunnel”が背景として使われている。もともと1971年に制作されたこの光のトンネルは、ニューヨークの127 John Streetにあったもので、後に解体された。写真映えする場所として知られ、ミュージシャンのプロモーション写真にも使われたという記録が残っている。視覚面でも、作品の時代感を伝える要素になっている。
2013年盤について
ここで扱うのは2013年にリリースされた盤で、オリジナルの1976年作としての「Life On Mars」である。70年代の空気をそのまま伝えるタイトルとして、Dexter Wanselの代表作のひとつに数えられている。
トラックリスト
- A1 A Prophet Named K.G. (4:20)
- A2 Life On Mars (5:50)
- A3 Together Once Again (4:23)
- A4 Stargazer (3:20)
- B1 One Million Miles From The Ground (5:00)
- B2 You Can Be What You Wanna Be (5:04)
- B3 Theme From The Planets (4:53)
- B4 Rings Of Saturn (3:43)
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Gary Boyle – Step Out! (1980)

Gary Boyle / Step Out!
Gary BoyleのStep Out!は、1980年作として捉えたいジャズ・フュージョン作品。英国出身のギタリスト/ヴォーカリストであるBoyleのキャリアの中でも、70年代のジャズ・ロック路線を経た後の流れが見えやすい1枚です。日本制作・日本盤の1981年リリースという点も、この時期の国内ジャズ/フュージョンの受容と重なるところがあります。
作品の輪郭
ジャンルはJazz、スタイルはFusion。ギターを軸にした演奏を中心に、リズムの推進力とフレーズの切り返しで聴かせるタイプの内容として受け取れます。ジャズの即興性とロック寄りの拍感が交わるあたりに、この時代のフュージョンらしい手触りがある作品です。
録音の雰囲気も、過度に飾り立てるというより、各パートの動きが追いやすい整理された印象につながります。ギターの音色、リズム隊の組み立て、曲ごとの流れが前に出る構成。派手さ一辺倒ではなく、演奏の運びそのものを聴かせるタイプのアルバムという見方ができそうです。
Gary Boyleの位置づけ
Gary Boyleは1941年生まれの英国人ギタリスト/ヴォーカリストで、70年代にはジャズ・ロック・バンドIsotopeのメンバーとして活動していた人物です。Step Out!は、その文脈を引き継ぎながら、よりソロ・アーティストとしての立ち位置を示す作品のひとつとして見てよさそうです。
Isotopeのようなジャズ・ロック系の流れと並べると、同時代のフュージョン・ギタリストたち、たとえば英国圏のジャズ/ロック周辺で活動したプレイヤーたちとのつながりも感じやすいです。アメリカのフュージョンとは少し温度の違う、英語圏ジャズ・ロックの延長線上に置ける内容です。
まとめ
Step Out!は、Gary Boyleのギターを軸にした1980年のジャズ・フュージョン作品。70年代ジャズ・ロックの流れを踏まえつつ、80年代初頭の感触へつながる一枚として位置づけられるアルバムです。日本盤として1981年に出たことも含め、当時のフュージョンの広がりを感じさせるタイトルです。
トラックリスト
- A1 Jeanies Dance (4:48)
- A2 Numb Thumb (4:26)
- A3 Step Out (4:39)
- A4 Periscope (5:00)
- B1 Fuchi Cé Pesta (3:57)
- B2 Thinking Of You (3:41)
- B3 Gitte (4:46)
- B3 So Many Times Before (5:24)
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Guillotine – Guillotine (1971)

Guillotine「Guillotine」について
1971年にUSで発表された、フレンチ・カナディアンのジャズ・ロック・グループ、Guillotineによる同名アルバム。ジャズ、ロック、ファンク/ソウルの要素を横断しながら、ブルース・ロック、ジャズ・ロック、サイケデリック・ロックの流れの中に置ける作品だ。
作品の輪郭
Guillotineは、Pierre Nadeau、Robert Turmel、Paul Morin、Carole Brevalの4人を中心とした編成。バンド名と同じタイトルを冠したこのアルバムは、グループの基本的な方向性をそのまま示す一枚として捉えやすい。
演奏は、ロック寄りの推進力を土台にしつつ、ジャズ由来の展開やファンクのリズム感を織り込んだ構成が印象に残る。ビートを前へ押し出しながらも、単純に一直線では進まず、曲ごとに間合いや切り替えを持たせる作り。録音の質感も、当時のロック/ジャズ・ロック作品らしい生々しさが感じられるタイプだ。
サウンドの特徴
- ブルース・ロックの骨格を持つギター主体のアプローチ
- ジャズ・ロックらしいインタープレイと展開の変化
- ファンク寄りのリズムが加える推進力
- サイケデリック・ロック由来の音色や揺れのある雰囲気
この時期の北米のジャズ・ロックやジャズ・ロック寄りのロック作品と並べると、Blood, Sweat & TearsやChicagoのようなブラス中心の路線とは少し違い、よりバンド演奏の密度で聴かせる側面が目立つ。ロックとジャズの接点を、よりラフな熱量で扱うタイプの文脈に置ける。
位置づけ
1971年のこのアルバムは、Guillotineというグループの名をそのまま示した初期の記録として見やすい。ジャンルの境界をまたぐ構成で、当時のジャズ・ロックの広がりを反映した一枚という印象だ。
作品全体としては、派手な装飾よりも、演奏の組み立てとリズムの運びで聴かせる内容。ジャズ、ロック、ファンクが同じ場に置かれた時代の空気が、そのまま盤に残っているようなアルバムだ。
トラックリスト
- A1 Hands Of Children (4:31)
- A2 Those Years Have Gone By (5:15)
- A3 Don’t Need Your Love (4:52)
- A4 Anniversary (4:13)
- A5 Feel Better (2:51)
- B1 Crow Bait (2:35)
- B2 If You Don’t Call That Love (4:29)
- B3 Jonathan (4:27)
- B4 I Can’t Believe It (10:39)
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Doug Carn – Infant Eyes (1971)

Doug Carn『Infant Eyes』(1971)
Doug Carnは、アメリカ出身のジャズ・ミュージシャン/プロデューサーで、ピアノ、オルガン、キーボードを中心に活動した人物だ。『Infant Eyes』は1971年の作品で、ソウル・ジャズとスピリチュアル・ジャズの流れに置かれる1枚として知られている。
作品の輪郭
この時期のDoug Carnは、Black Jazz Records周辺の流れとも重なる存在で、同レーベルにおける初期1970年代ジャズの空気をよく映している。ジャズを土台にしながら、ゴスペルやソウルの感触を持ち込んだ演奏が特徴で、鍵盤を軸にした構成が作品全体を支えている印象だ。
録音の質感は、当時のUSジャズらしい直接的な手触りを持ち、リズムも前に出すぎず、曲の流れに沿って進むタイプ。オルガンやピアノの音が空間を埋めつつ、演奏のひとつひとつがはっきり聴こえる作りになっている。
Doug Carnというアーティストの位置づけ
Doug Carnは、ソウル・ジャズからスピリチュアル・ジャズへつながる文脈のなかで語られることが多い。1970年代前半には、妻のJean Carnとの共演作でも知られ、同時代のジャズ・シーンの中で独自の鍵盤表現を展開していた。Nat Adderley、Shirley Horn、Lou Donaldson、Stanley Turrentineらとの仕事歴もあり、幅広いジャズの現場に関わっていた人物でもある。
同時代とのつながり
『Infant Eyes』のような作品は、Hard Bop以降の流れを受けつつ、よりソウル寄りの響きや精神性を前面に出していく1970年代初頭のジャズの動きと重なる。Bruce McPhersonやCalvin Keysらを含むBlack Jazz系の作品群と並べて語られることもあり、同じ時代の空気を共有している。
まとめ
『Infant Eyes』は、Doug Carnの鍵盤奏者としての個性が、ソウル・ジャズとスピリチュアル・ジャズの接点で表れた1971年作だ。派手さよりも、曲の流れ、音の配置、演奏の呼吸で聴かせるタイプの作品として受け取れる。
トラックリスト
- A1 Welcome (1:15)
- A2 Little B’s Poem (3:50)
- A3 Moon Child (7:56)
- A4 Infant Eyes (9:50)
- B1 Passion Dance (5:58)
- B2 Acknowledgement (8:45)
- B3 Peace (4:30)
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Plat Du Jour – Plat Du Jour (1977)

Plat Du Jour『Plat Du Jour』について
Plat Du Jourは、フランス・ルーアン出身のグループで、1974年に結成され、1977年に活動を終えた。ジャズ、ロックを土台に、サイケデリック・ロック、アヴァンギャルド、実験音楽、プログレッシブ・ロックの要素を組み合わせたバンドとして知られている。
この『Plat Du Jour』は1977年の作品で、2016年にイタリアで盤としてリリースされたもの。6人編成で、François Ovide、Alain Potier、Jacques Staub、Olivier Pedron、Vincent Denis、Rodolphe Moulinが参加している。
サウンドの印象
音の中心には、ジャズ寄りの動きとロックの推進力があり、その上にサイケデリックな感触や変則的なフレーズが重なるタイプの作品といえる。リズムは一定の整い方だけに寄らず、場面ごとに組み替わるような進み方が見えやすい。録音の雰囲気も、時代相応の生々しさを残した質感で、演奏の細部が前に出る印象。
ギター、鍵盤、リズム隊の絡み方に、当時のフランスの実験的なロックやプログレの流れが感じられる構成。演奏の展開を追う楽しさがあり、即興性と作曲性のあいだを行き来するような作りになっている。
この作品の位置づけ
Plat Du Jourの活動時期は1974年から1977年までで、この作品はその終盤にあたる時期の記録。グループとしてのスタイルが、サイケデリック、プログレ、ジャズの要素をどう混ぜていたかを見せる内容として捉えやすい。
同時代の文脈では、フランスの実験ロックやジャズ・ロックの周辺に置いて見るとわかりやすい。演奏の組み立て方や曲の進め方には、欧州のプログレやアヴァンギャルド寄りの作品群と通じる部分がある。
まとめ
『Plat Du Jour』は、フランスの地方都市ルーアンから出てきたバンドが、1970年代半ばのロックとジャズの交差点で鳴らしていた音をまとめた作品。派手な装飾よりも、演奏の組み合わせや流れそのものに耳が向く一枚。
トラックリスト
- A1 5 & 11 (6:35)
- A2 Autoroute (4:45)
- A3 Zilbra (4:50)
- B1 Totem (8:05)
- B2 L’Homme (4:45)
- B3 Rock’n’ Speed (5:50)
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Takayuki Inoue – 太陽を盗んだ男 (オリジナル・サウンドトラック) (1979)

井上堯之『太陽を盗んだ男(オリジナル・サウンドトラック)』について
井上堯之による『太陽を盗んだ男(オリジナル・サウンドトラック)』は、1979年に日本でリリースされた映画音楽作品。日本のロック・ギタリスト、作曲家、編曲家として知られる井上堯之が手がけたサウンドトラックで、ジャズ、ファンク/ソウル、クラシカルの要素を含む内容になっている。
作品の位置づけ
井上堯之は、The SpidersやPygでの活動でも知られ、のちには沢田研二のバックバンドでも長く活動した人物。この作品は、そうしたロックやポップスの現場で培われた感覚が、映画音楽の枠に置き換えられた一枚として見ることができる。ギターを軸にした作家性と、編曲家としての手つきが前面に出るタイプの仕事。
サウンドの印象
ジャンル表記どおり、ジャズやファンク/ソウルのリズム感が土台にあり、そこへストリングスや劇伴らしいクラシカルな処理が重なる構成。ビートは前に出すぎず、場面に合わせて細かく動く印象で、録音全体も映画音楽らしい整理された質感がある。派手さよりも、映像に沿って展開する緊張感や、フレーズの置き方が目立つ作品。
同時代の文脈
1970年代後半の日本では、ロック、ジャズ、ソウルの要素を取り入れた映画音楽が少なくない時期。この作品もその流れの中にあり、歌ものの作家とは少し違う角度から、都市的な空気やサスペンス性を支える役割を担っている。井上堯之のキャリア全体で見ても、バンド活動で培った演奏感覚が、劇伴という形式に結びついた一作といえる。
ひとことで
1979年の日本映画音楽らしい、ロック由来のギター感覚とジャズ/ファンクのリズムが交差するサウンドトラック。井上堯之の演奏家・作編曲家としての輪郭が、そのまま作品の空気になっている一枚。
トラックリスト
- A1 Introduction (1:18)
- A2 Makoto (3:52)
- A3 原爆 Part 1 (0:54)
- A4 原爆 Part 2 (0:58)
- A5 Yamashita (1:16)
- A6 プルトニウム・ラヴ (3:04)
- A7 Zero (1:40)
- A8 太陽を盗んだ男 (4:55)
- A9 笑う原爆 (2:42)
- B1 A. Bomb (3:35)
- B2 Sunrise (1:27)
- B3 ゼロと誠 (1:11)
- B4 Pu 239 (3:25)
- B5 動揺 (2:17)
- B6 カーチェイス (4:22)
- B7 No. 9 (1:20)
- B8 太陽を盗んだ男 (3:12)
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Zoltán Boros – Pași Spre Infinit (1988)

Zoltán Boros『Pași Spre Infinit』について
『Pași Spre Infinit』は、ルーマニアの作曲家、ピアニスト、指揮者として知られるZoltán Borosによる1988年作のジャズ作品である。ジャンルはJazz、スタイルはContemporary Jazzに分類されている。ルーマニア制作の一枚として、当時の東欧圏のジャズの流れも感じさせるタイトルだ。
作品の印象
ピアノを軸にした構成が想像しやすい作品で、コンテンポラリー・ジャズらしく、リズムの運びやアンサンブルの組み方に現代的な感覚がにじむ内容と見られる。録音の空気感も、1980年代後半の作品らしい、スタジオの輪郭が見えやすいタイプの質感を持っていそうだ。
タイトルの「Pași Spre Infinit」は、直訳すると「無限への歩み」といった意味合いになる。作品全体にも、そうした進行感や展開の積み重ねを意識したつくりが感じられる。
アーティストの背景
Zoltán Borosはトランシルヴァニアを拠点に活動したハンガリー系の音楽家で、作曲、ピアノ、指揮、放送音楽の分野まで幅広く関わってきた人物である。ジャズ・バンドの活動、劇場オーケストラの指揮、テレビ音楽部門での仕事など、演奏と編曲、制作の両面にまたがる経歴がある。
また、Anca Parghel、Mihaela Runceanu、Aura Urziceanuといった著名な歌手たちの楽曲も手がけており、ジャズの枠内にとどまらない音楽家としての姿がうかがえる。
1980年代ルーマニアのジャズ文脈
1988年という時期のルーマニア作品として見ると、同時代のジャズが持っていた編曲重視の流れや、旋律と構成を丁寧に組み立てる感覚と重なる部分がある。派手な即興性だけで押すというより、楽曲全体の設計に重きを置くタイプの作品として捉えられるだろう。
まとめ
『Pași Spre Infinit』は、Zoltán Borosの作曲家・ピアニストとしての持ち味が表れた1988年のコンテンポラリー・ジャズ作品である。東欧圏のジャズ史の中でも、音楽監督や放送音楽の仕事を経験してきた人物ならではの、構成感のある一枚として位置づけられそうだ。
トラックリスト
- A1 Pași Spre Infinit (Partea I) = Steps To The Infinite (Part I)
- A2 Pași Spre Infinit (Partea A II-a) = Steps To The Infinite (Part II)
- B3 Pași Spre Infinit (Partea A III-a) = Steps To The Infinite (Part III)
- B4 Un Gînd = A Thought
- B5 Toamna În Orașul Meu = The Fall In My Town
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Osamu Kitajima – Face To Face (1983)

Osamu Kitajima「Face To Face」について
Osamu Kitajimaによる「Face To Face」は、1983年の作品として知られるジャズ・アルバム。日本のミュージシャン、プロデューサー、作曲家、マルチ奏者である北島修の活動の中でも、ジャズを軸にソウルやファンクの要素を交えた一枚として位置づけられる内容。
北島修は1949年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。日本で活動を重ねながら、作曲、演奏、制作の両面で仕事を続けてきた人物で、この作品でもその幅広い音楽性が表れている印象。
サウンドの特徴
ジャンル表記はジャズ、スタイルはソウル・ジャズ、ジャズ・ファンク。リズムの前に出方やビートの置き方に、当時のクロスオーバーな感覚が見えるタイプの作品として捉えやすい。演奏の骨格はジャズらしい一方で、グルーヴを意識した運びや、ファンク寄りの質感が加わる構成。
録音の雰囲気は、80年代前半の日本盤らしい整理された印象を持つ。音の輪郭が比較的はっきりしていて、各パートの役割が見えやすい作り。ソウル・ジャズの流れを踏まえつつ、ジャズ・ファンクの直線的な推進力も感じやすい内容。
作品の位置づけ
1983年という時期は、ジャズが従来のアコースティックな編成だけでなく、ソウル、ファンク、フュージョン周辺の語法と交差していた時代でもある。「Face To Face」も、その文脈の中で捉えやすい一枚。北島修の多面的な音楽性が、ジャンルの境目をまたぐ形で表れた作品として見ることができる。
まとめ
- アーティスト: Osamu Kitajima
- タイトル: Face To Face
- オリジナル年: 1983年
- 盤のリリース年: 1985年
- 国: 日本
- ジャンル: Jazz
- スタイル: Soul-Jazz, Jazz-Funk
ジャズを基調にしながら、ソウルやファンクの要素が重なる一枚。北島修の活動をたどるうえでも、80年代日本のジャズ表現をみるうえでも、ひとつの手がかりになりそうな作品。
トラックリスト
- A1 Face To Face
- A2 Nothing But Love
- A3 31 Flavors
- A4 No Second Chances
- A5 Should’ve Known Better
- B1 Give It Up
- B2 Waterman Beetle
- B3 Yesterday And Karma
- B4 Apex
- B5 Amerasian Blues
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Orchestra Di Enrico Simonetti – Blue Frog… And Others (1975)

Orchestra Di Enrico Simonetti「Blue Frog… And Others」について
Orchestra Di Enrico Simonettiの「Blue Frog… And Others」は、1975年にイタリアで発表された作品で、ジャズ、ロック、ファンクの要素が交差する一枚である。Enrico Simonettiを中心に、Carlo Pes、Fabio Pignatelli、Massimo Morante、Walter Martino、Nicola Di Staso、Ivanir Mandrake Do Nascimento、Nick Vincentiらが参加している。
サウンドの軸には、ファンクのリズム感とプログレッシブ・ロック寄りの展開が見える構成。ベースとドラムが前に出る場面と、鍵盤やギターが細かく動く場面が行き来するタイプの内容で、ジャズ由来の運びも重なっている。録音の空気感も、70年代イタリア作品らしい手触りを感じさせるものとして捉えられる。
作品の位置づけ
ジャンル表記としては Jazz、Rock、Funk / Soul にまたがり、スタイル面では Funk、Prog Rock に置かれている。こうした組み合わせから、同時代のイタリアン・プログレや、ジャズ・ロック、ファンクを横断する流れの中で理解しやすい作品といえる。
Enrico Simonetti名義のオーケストラ編成という点も特徴で、個々の演奏が前に出るだけでなく、アンサンブル全体のまとまりで聴かせるタイプの内容になっている。1970年代半ばのイタリア産インストゥルメンタル作品の文脈に置くと、ジャンルの境目をまたぐ作りが目につく一枚である。
参加メンバー
- Carlo Pes
- Fabio Pignatelli
- Massimo Morante
- Walter Martino
- Enrico Simonetti
- Nicola Di Staso
- Ivanir Mandrake Do Nascimento
- Nick Vincenti
なお、ここで挙げる2018年の盤は、オリジナルの1975年作品とは別に流通したものとして見ておくと整理しやすい。作品そのものは1975年のイタリア産レコードとして位置づけられる。
トラックリスト
- A1 Blue Frog
- A2 Water Snake
- A3 Lady Murmaid
- A4 Moonlight Fish
- A5 Hally Gator
- B1 Deep Purple
- B2 Laura
- B3 Parlami D’Amore Mariù
- B4 Dindì
- B5 Secret Love
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Skullcap – Snakes Of Albuquerque (2025)

Skullcap『Snakes Of Albuquerque』
USのトリオ、Skullcapによるデビュー録音が『Snakes Of Albuquerque』。2025年の作品で、ジャズとロックを土台にしながら、フリー・インプロヴィゼーション、クラシカルな感触、変則的なリズム感を重ねた内容になっている。編成はパワー・チェロ・トリオという形で、名前の通りチェロを軸にしたアンサンブルの存在感が大きい作品といえる。
作品の輪郭
プロフィールにある通り、ここではロック、ジャズ、即興、そして作曲的な要素がひとつの流れの中で扱われている。メロディの分かりやすさを残しつつ、演奏の展開は読み切れない方向へ進みやすいタイプの音像で、実験性と聴きやすさのあいだを行き来する印象がある。タイトルにもある地名のイメージをそのまま音に置き換えたような、具体的な場面転換を含む作りを想像させる。
サウンドの特徴
この作品の要点は、リズムの組み立て方にありそうだ。拍をまっすぐに置くというより、ずらしたり折り返したりしながら進むタイプの演奏が想像される。そこにチェロ由来の厚みと、ロック寄りの推進力、ジャズ的なフレーズ感が重なる構図。質感としては、緻密さと生々しさが同居する方向で、録音も演奏の細部が見えやすいタイプに感じられる。
位置づけ
Skullcapにとっては初めての記録となる作品で、バンドの基礎線を示す一枚と見てよさそうだ。ジャズとロックの境界をまたぐ試みは珍しくないが、ここではチェロ・トリオという編成がその境界を少し独特な角度から見せている。同時代の実験的なプログレ、モーダルな感覚を含むインストゥルメンタル作品の流れの中でも、かなり演奏主体の立ち位置にある。
簡単な印象
- US発のジャズ/ロック作品
- フリー・インプロヴィゼーションと作曲性の併走
- 変則的で動きの多いリズム感
- チェロを軸にした厚みのあるアンサンブル
- 実験性のあるプログレ寄りの感触
『Snakes Of Albuquerque』は、ジャンルの枠をまたぎながらも、演奏の手触りで押していくタイプのアルバムとして捉えやすい。ジャズ、ロック、モーダルな感覚、そして即興の要素が、ひとつのトリオ編成の中でどう組み合わさるかに注目したい作品だ。
トラックリスト
- A1 Pine Trees Of Tennessee (5:35)
- A2 Rt. 40 (3:13)
- A3 Bear Out There (3:28)
- A4 Journey To The Sunset (3:22)
- A5 Snakes Of Albuquerque (4:28)
- B1 700 Miles (1:07)
- B2 Orange Sky (4:22)
- B3 Just Passin’ Thru (1:56)
- B4 Desert Turtles (6:20)
- B5 Ambrosia Burger (1:31)
Siglo Cero – Latinoamérica (1970)

Siglo Cero『Latinoamérica』
Siglo Ceroは、1969年にボゴタで結成されたコロンビアのプログレッシブ・ロック・バンドで、1970年に唯一のLPを残したグループとして知られている。その作品が『Latinoamérica』で、ジャズ、ロック、ラテンの要素を重ねた、実験性の強い内容になっている。
作品の位置づけ
バンドにとっては、短い活動の中で残された代表作という位置づけになる。プログ・ロック、ジャズ・ロック、サイケデリック・ロックの流れに、ラテン的なリズム感を持ち込んだ点が、この作品の輪郭をはっきりさせている。
サウンドの印象
演奏は、ギターや鍵盤を軸にしながらも、一定の型に収まりきらない動きがある。リズムは直線的になりすぎず、ところどころで揺れを含み、打楽器的な推進力も感じられる。録音は現代的に整った質感ではなく、時代相応のざらつきと空気感が残るタイプで、そこにサイケデリックな響きが重なっている。
曲によっては、ジャズ寄りのフレーズが前に出たり、ロックの骨格が強く出たりと、要素の切り替わりが見えやすい。まとまりよりも展開の変化が印象に残るタイプの作りで、70年代初頭の実験的なラテン・ロックの空気をそのまま閉じ込めたような盤面。
同時代の文脈
1970年前後は、ロックがジャズやラテン音楽と交差しながら、各地でプログレッシブな方向へ広がっていった時期でもある。『Latinoamérica』も、その流れの中で生まれた作品として見ると、地域性と当時の実験精神が重なった一枚として捉えやすい。
盤について
ここで触れているのは2018年盤で、作品そのもののオリジナルは1970年。オリジナルの時代感を持った音像を、後年のリリースで手に取れる形になっている。
- アーティスト: Siglo Cero
- タイトル: Latinoamérica
- オリジナル・リリース年: 1970年
- 盤のリリース年: 2018年
- 国: Portugal
- メンバー: Jaime “Patrón” Rodríguez, Roberto Fiorilli, Humberto Monroy
- ジャンル: Jazz / Rock / Latin
- スタイル: Experimental, Psychedelic Rock, Prog Rock, Jazz-Rock
トラックリスト
- A Viaje 1 (16:00)
- B Viaje 2 (16:00)
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Pictures – Pictures (1983)

Pictures / Pictures(1983年)
Picturesは、UKのユニットPicturesによる同名作品。Freeezのサイド・プロジェクトとして位置づけられるグループで、メンバーはJohn RoccaとAndy Stennett。電子音楽を軸に、ジャズやロックの要素を重ねた作りになっている。
作品の輪郭
ジャンル表記としてはElectronic、Jazz、Rock、スタイルとしてはSynth-pop、Experimental、Prog Rock。こうした並びからも、シンセを前面に出した80年代初頭らしい質感と、型にはまりきらない構成志向が見えてくる。リズムは機械的な推進力を持ちながら、フレーズの運びにはジャズ寄りの柔らかさも感じられる組み合わせ。
録音の雰囲気は、過度に厚塗りではなく、音の輪郭を見せるタイプ。シンセの音色、リズムの反復、ギターや鍵盤の配置が、それぞれ独立しつつまとまっていく印象がある。派手さよりも、構成と音色の切り替えで聴かせるタイプの作品といえる。
時代背景と位置づけ
1983年という時期は、UKでシンセポップが広く浸透していた頃で、同時に実験性やプログレ的な組み立てを持つ作品もさまざまな形で残っていた。Picturesもその流れの中にあり、ダンス寄りの感覚と、アルバム単位での展開を意識した作りが同居している。
Freeez周辺の文脈を踏まえると、クラブ感覚や都会的なビートの延長線上にありながら、より自由な発想で音を組み立てたプロジェクトとして見えてくる。1980年代初頭のUKエレクトロニック作品の中でも、ジャンルの境目に置かれた一枚という印象。
ひとことで言うと
シンセポップの輪郭を持ちながら、ジャズやプログレの要素を差し込んだUK発の1983年作。整ったビートと実験的な構成が並ぶ、Picturesという名義の出発点として捉えやすい作品。
トラックリスト
- A1 Lullabye (4:12)
- A2 Nursery Rap (0:32)
- A3 Dancing Mind To Mind (5:00)
- A4 Skrahs (3:30)
- A5 Battle Of The Leaves (8:15)
- B1 Black Tiger (4:55)
- B2 Loneliness (5:02)
- B3 Child In A Sweet Shop (4:05)
- B4 Adventure Lost (4:40)
- B5 Voodoo (3:47)